2020-01-01から1年間の記事一覧
「貫多の持病は、所詮、一生治る見込みの望めぬ廃疾のようなものであるらしい。」(西村賢太「廃疾かかえて」) いったいにコミュ障と云うものは生き辛く、発達障害を抱えているのであれば尚更である。彼は物心付いた時点で既に落伍者の烙印を押されていたも…
しかしそれにしても、こんなふやけた、生活とも云えぬような自分の生活は、一体いつまで続くのであろうか。こんなやたけたな、余りにも無為無策なままの流儀は、一体いつまで通用するものであろうか。(西村賢太「苦役列車」) T大に入るまでは、そのことに…
その墓前にいるうち、気持が吹っきれたようになり、「もういいや、最後の一踊りで」と呟いた。自業自得の積み重ねで、どうせこの先、人並みの社会生活なぞ送れるはずもないのである。(西村賢太「墓前生活」) 彼は一人で遊ぶのが好きな少年だった。往時テレビ…
かつてbmsに人生を捧げた男が居た。 その前に、まずはbmsとは何か説明しておかねばなるまい。 bmsとは落ちてきた音符に合わせて鍵盤を押す、ただそれだけの単純な音楽ゲームだ。 このゲームには単純ながら終わりが無い。プレイヤーは譜面をクリアすることで…