あれからの日乗

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女旱りの或る日、ゲーマー女に出会った。

出身の近さと、高学歴元ニートと云う、何やらどこかで見た覚えのあるプロフィールに共感を覚えた私は、この女のことを深く知りたいと思ったのである。

女とは毎日連絡を取り合い、週末にはFPSで一緒に遊んでいた。

可愛い声して中々に上手く、ゲームが終わった後に、昔の思い出を何時間も語り合ううちに、私はこの女のことを好きになっていた。

一ヶ月ほど遊んだ後に、ようやく会おうと云う話になった。

期待して女に会いに行くも、現れたのは田舎の不良のような女で、私の嫌な思い出を惹起させた。

それでも話している間は、私の好きな可愛い声のあの女であることには変わりなく、しかし、この女のビジュアルは私の好みとは対極に位置するものであり、板挟みに陥った私は、去り際に、私と付き合うのか白黒付けてくれ、なぞ、様々な要らぬ事を女に言った。

女は、いずれは付き合うつもりで居たのに、こんなに気持ち悪い奴だとは思わなかった、もう無理だから二度と私の前に現れるな、と私を面罵し、またしても私は無駄に振られる仕儀と相成った。

単に女とゲームをすることで自身の空白を満たしたいと云うのであれば、この田舎女と仲を深めておけば良く、そうするうちに、女を愛しく思う気持ちも生まれていたかも知れなかった。つくづく、私は自分がどうしたいのか分からなくなった。