あれからの日乗

(5) 「ゲーセンに行く服」を考える 続き

(4) 「ゲーセンに行く服」を考えるの続き。前回は総論に留まったが、ここからは各論に入る。

「お母さんの服」を処分する

まず最初にやるべきことは、過去にお母さんに買ってもらった全ての服を処分することである。

或いは、五年以上前の服などがあれば無条件で捨ててよい。

お母さんには申し訳無いが、お母さんの服を着ているうちは絶対に勝てない。勝ちたいのであれば、まずは服を自分で選ぶところから始めなければならない。

私は少し前までは十五年以上前のお母さんの服を平気で着ていたが、過去の服は下着も含め、全て捨てて買い直している。

服に求められるものは「清潔感」

女の子基準の「清潔感」を持っているかどうかが全て。服の値段自体はあまり重要ではなく、ユニクロやGUで問題無い。服についてはどの店で買うかではなく、正しい服を選べるかどうかが本質である。

店員に聞くな

店員に予算幾らで見繕ってくれと言えば、見繕ってはくれるだろうが、それでは服を選んでくれるのがお母さんから店員に変わっただけでその場凌ぎにしかならない。服はあくまでも自分の頭で考えて選ぶべきである。

服選びの指針

実のところ、メンズファッションは合格点を取るだけであれば、女性のファッションほどは難しくない。

とは言え、何の指針も無しに服を自分で選べるのであれば苦労はしない。ファッションという曖昧な概念を定性化するにあたって、以下の二名のファッション理論を理解しておくことを勧める。

MB氏

「ドレスとカジュアル理論」の提唱者。他の人の理論はMB理論の焼き直しでしかない、と言えるレベルで答えが出ている。

MB氏のblogはとりあえず読んでおくと良い。私はYouTubeとメルマガも購読している。

MB氏の本だとこれが良い。タイトルの通り安価な服しか出てこない。

MB氏がお勧めしている服をウォッチしておき、良さそうであればマネキン買いで揃えておくだけでも確実にレベルが上がる。

大山旬氏

買うべきアイテムと買うべきでないアイテムを明確にした。

大山氏によれば、服はシンプルなものが良い。シンプルとはMB理論で言い換えればドレス度が高いということであり、二人の主張は概ね同じである。

大山氏の本だとこの二冊を読んでおけば十分である。

柄入りのシャツとジーパンはやめておけ

彼らの理論をオタク向けに分かりやすく言うとこうなる。オタクの好きなプリントTシャツやチェックのネルシャツなどはカジュアル寄りであり、言い換えればシンプルではないので避ける。

ズボンはカジュアルなジーパン(インディゴデニム)は避ける。これらを絶対に着ては駄目、というわけではないが、これらのカジュアルアイテムをおしゃれに見えるように着こなすのは上級者向けなので、初心者は手を出すなということである。

服はシンプルなものを選ぶのが鉄則であり、その中でドレスとカジュアルのバランスを取る。女の子に会うのであればドレス寄りの装備で揃えるのが正解である。

シンプルすぎると没個性になるのではないか、と思われるかもしれないが、合格点を取るだけのファッションであれば別に没個性で良いのである。興味が出てきたら、高い装備品を買って差を付けるなどすれば良い。

その他装備品

服を買ったら、次はバッグ、靴、財布、腕時計などの小物を揃える。ここは本気でやると非常に金が掛かる。仮に服を全てユニクロで揃えていたとしたら、小物一つが服の上下の合計より高くなるということが普通に起こる。小物は十年使う物と考え、金に余裕のある人はハイブランドの物を検討してよい。

バッグ

仕事用のバッグとは別に、必ずオフ用のバッグを別に用意すること。仕事だと私はTUMIを使うが、オフで使うべきバッグではない。

バッグもシンプルなデザインのものが正解であり、私は黒の革トートや黒のリュックをよく使う。

オフで使える黒の革靴を持っておいた方が良い。ただしビジネスライクな内羽根ストレートチップなどは避ける。革ブーツ、ローファーなども有り。スニーカーは私は今は滅多に履かなくなったが、履くなら黒や白のシンプルなデザインが良い。

革靴に関しては安物はできれば避ける。予算が無くとも三万ぐらいは出して良いと思う。パドローネやジャランスリワヤ辺りだと三万円台で買える。私はクロケットをよく履く。

財布

ポケットに入る二つ折りの革財布が良い。『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』なぞいう本がかつてベストセラーになったが、キャッシュレスの時代に長財布は邪魔なだけである。

財布は長く使えるし、相手からも見られやすい部分なので高い物を買って良い。中に入っている現金よりも高いぐらいの財布にして良い。

腕時計

ゲーセンでは腕時計は邪魔なので不要だが、それ以外ではオンオフ問わず常に着けた方が良い。腕時計は単に時間を確認するための道具ではなく、ファッションのための装備品であると心得る。

特に腕がオープンになる夏場は必須であるし、冬でも着けた方が良い。女の子が腕時計を付けている場合、こちらが腕時計を付けているかどうかは見られていると思った方が良い。

高い腕時計を買う場合は、オンオフ使えるデザインのものがベストである。ただし、腕時計に金を掛けると青天井になり、百万超えの物も普通にある世界なので、特に興味が無ければアップルウォッチで問題無い。

本について

私はファッション本、美容本、恋愛本などを数十冊は読み漁っている。こういった内容はネットの情報だけでなく、実際に本を買って読んだ方が身に着く。

基本的な方針を定めずに高い買い物をしても無駄になるだけであり、基礎固めの意味でこの作業は必須である。

ファッション本については、MB氏と大山氏の本だけ読んでいれば十分である。私は他の本も色々読んだが、どれも彼らの理論の焼き直しでしかないと感じた。なお、メンズファッションは最新のトレンドを追いかける必要があまり無いため、ファッション誌は一切買う必要無し。

予算について

何もないところから全てのアイテムを揃えようとすると、とにかく金が掛かる。

自作PCでも予算五万と三十万では天地の差があるように、当然ながらファッションも予算が多い方が有利である。

私の感覚としては、本気でやるのならば学生でも十万は用意すべきだと思う。

社会人ならばその五倍、或いは十倍出しても良い。ボーナスを貯金するぐらいならば、全額服に投資するぐらいの覚悟を持っておくべきである。一度買い揃えたら当分買い換える必要は無いので、無駄にはならない。

効能

マッチングアプリで可愛い子と会いやすくなる。会社で雰囲気変わったねと言われる。可愛い女の子に、「おしゃれだね。服はどこで買ってるの?」などと聞かれる。自分に自信を持つことができ、前向きになれる。詰まるところ良いことしかない。

ちなみに、私は服も靴も小物もネットでしか買わないし、ユニクロ以外のアパレル店舗にはほぼ入ったことがない。自身の服のサイズについては熟知しているため、ユニクロすら殆どオンラインで買っている。それでも、女の子基準の合格点は十分に満たせるということである。

これが、女の子の言う「清潔感」の要素の一つである。もちろん清潔感は服だけでは決まらないので、それらについては次回のテーマとする。

(6)に続く。